The history of

KYOTO NHK ESS

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A PERSONAL HISTORY OF KYOTO NHK ESS BY HORI(9)


 

  サークルについていろいろ書いてきましたが、どうも英語についてあまり書いていないようです。これについて書きます。これまで多くの人に出会いましたが、英語学習観については2通りのタイプがあるようです。先に書いたことと関連しますが、英語目的タイプと英語手段タイプです。両者の葛藤がこのサークルの歴史の原動力でもあったのです(史的唯物論みたいですが)。英語を上達させたくて来る人と英語を通していろいろ学びたいという人。純粋な前者タイプの人は最近減りました。はやらないのでしょうか。大学でも勉強一筋という学生はあまりいません。

 しかし後者タイプには問題があります。それは何年サークルに通っていても英語が上達しないという問題です。もちろんこのタイプで英語がうまい人もたくさんいますが、そういう人はもともと英語ができました。うちに来ることで英語が上達した人は、残念ながら減っているように思います。

 では、留学したり高いお金を払ってそれなりの学校に行ったりすることなく、ここだけで英語を上達させることは可能なのでしょうか。(なお、多くの人は留学しても月謝の高い英会話学校へ行っても大学の英文科に行っても英語力は上達していません、念のため。)ひとつ言えることは、これまでサークルで出会った「英語の上手な」人の多くが、英語と関係のない学校に行き、英語と関係のない仕事をし、外国にはあまり行っていないという事実です。なぜでしょうか。それは人目につかないところで努力しておられるからです。 したがってうちのサークルへ毎週来たからといって英語力が上達するということはないでしょう。来るまでの間に、どれだけのことをしているかが重要でしょう。

 英語力上達のために私が座右の銘(?)にしていることばが2つあります。
 そのひとつは、松本亨先生が、力説された「Think in English」というものです。日本人はなぜ英語ができないかーそれは、まず日本語で文を考え、それからそれを(学校の授業で習ったことを思い起こしつつ)英訳し、それからしゃべるからではないか。もしこのプロセスを省略し、いきなり英語で考えれば、あのうっとうしい間がなくなるのではないか。それだけのことです。しかし「それだけのこと」がなかなかできない。英語の授業=訳の授業という説が染みついているから。「それだけのこと」のためには訓練がいるのです。英文を訳さず前から後ろへ読むこと、わからなくても重要でなければほうっておくこと。ただ前へ。リズムとスピードを大事にすること。そしてその惰性で英語で考え、英語で話すこと。ここに上達のキーがあるように思います。

 もうひとつは、かの松本道弘氏が述べた次のことばです(同じ松本でも差をつけたいので氏としておく)。「言い訳をするのを少しはやめてみろ」。私は英語が苦手だ。なぜなら外国に行ったことがない、専門がちがう、苦手科目だった、そのための時間がない、英会話学校に行ったこともない・・・よくまあ英語が話せない理由をたくさん考えつくものだ。でもあえて次のように言わねばならない。「いくら言い訳したからと言って英語が上達する訳ではない。言い訳をするのをやめなさい」。そうだれもあなたが英語を話せない理由など聞きたくないのです。
 

 

>No.10