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2012年9月のニュースレター

京都ESSの皆様

 朝夕めっきりとしのぎやすくなり、秋の到来を感じる日々です。今となればあの真夏の暑さが嘘みたいですね。日中窓を開けていると、秋風が稲刈りの良い香りをどこからともなく運んできてくれます。農家の方が初夏に植えた苗が、もう収穫の時期を迎えていると思うと、過ぎ去った夏の日々を思い返らずにはいられません。心地よい秋風と美味しい秋の味覚をお供に、短い秋の夜長を贅沢に楽しみたいものです。

【9月1日】
プラクティス: 大久保智子さん Genre: Translation & Talk, “Let's translate quote of famous people & make your quote!!”
参加者: 38名

【9月8日】
プラクティス: 橋爪一枝さん Genre: Talk, “Five Questions”
参加者: 39名

【9月15日】
プラクティス: 高田くみこさん Genre: Presentation, ”Show and Tell about Your Summer”
参加者: 42名

【9月22日】
プラクティス: 日比野絵美さん Genre: Presentation, “Autumn is the season for xxxxx.”
参加者: 36名

【9月29日】
プラクティス: 三輪芳夫さん Genre: Presentation, “How to teach English Communication Skills to Japanese people, especially young students, to improving our position?”
参加者: 37名


≪TOPICS≫
空の高さと青さを感じる秋晴れが続く中、日中はあれこれと活動しやすい最高の季節です。その一方、夜になると一段と高く輝く月を見ながら物思いに更け入ってしまう風趣感じる季節でもあります。こうしたふとした一瞬に「あの人はどうしているだろうか」と遠く離れた家族や古い友人、更には過去にお世話になった人のことが脳裏に浮かぶことはありませんか。窓を開けて鈴虫の声を聞きながら秋の夜長に手紙に筆をとるひととき、これも秋ならではの素敵な時間です。
皆様はここ最近手紙を書かれたのはいつですか。直筆の手紙はご無沙汰と言う方、多いのではないでしょうか。
9月下旬に文化庁が発表した「国語に関する世論調査」によりますと、「手紙やはがきは余り利用しないようになった」と回答した人の割合が57.2%、前年比で16ポイントも増加したとのことです。携帯電話や電子メールなどがこれほどにまで普及した今日を考慮すると、この結果に反論する余地はありませんね。確かに電子メールは手紙より幾分も便利です。送付スピードは言うまでもなく、漢字変換だって指1本ですし、字やバランスの恰好も良いし、更に文法ミス箇所を自動的に教えてくれる優れものだって今や珍しくありません。
…これを聞いて、何だか寂しい気持ちが心の奥にモヤッと残る方いらっしゃいましたでしょうか。実は私も、その物寂しい思いを感じたひとりです。
更にこの調査が教えてくれたことをここに書き加えると、「漢字を正確に書く力が衰えた」(66.5%)、「手で字を書くことが面倒臭く感じるようになった」(42.0%)、「口頭で言えば済むことでも、メールを使うようになった」(29.5%)など。いずれの項目においても毎年上昇傾向にあり、情報交換手段の多様化が日常生活に大きく影響していることが世論結果として弾き出されていました。漢字力の衰えに関しては、なんと6割以上もの人が痛感していたことに驚きです。
実はこの傾向は日本だけではなく、世界中に広まりつつあります。例えばアメリカ。アメリカ文化のひとつでもあるグリーティング・カードは、どこのお店に行っても大きく専用の棚が設けられていて、いつでも様々な種類のカードが販売されています。しかし電子化が進んだ今、そのグリーティング・カードの売り上げが落ち込んでいることは容易に想像がつきます。更にアメリカの学校教育が抱える問題として挙げるのは、学生の語彙力低下です。日頃パソコンに備わっているスペル・チェック機能を使用することが習慣となり、英単語を正しくスペル・アウト出来ない生徒が増えているようです。
少し残念ではありますが、新しく手に入れるものがある一方で、衰えていく力や忘れ去られる事柄があるのは当然で且つ避けることができないことかも知れません。しかしこのような結果が無情にも浮き彫りとなった今日だからこそ、私たちに求められるのは、それら伝達方法を正しく取捨選択する能力ではないでしょうか。時と状況に応じた適切な手法をもって相手に自分の気持ちを伝える、そして同時に相手のことをも正確に理解することに留意したいものですね。いくら整った字が書けなくとも、いくら正しく英語が話せなくとも、気持ちを伝える方法はたくさんあります。この「伝える」という手段を正しく選べば、言語コミュニケーション以上の相互理解が期待されることでしょう。
さて、この機会に先ほど皆さんの脳裏に浮かんだ方宛に、一度手紙を書かれてみてはいかがでしょうか。電子メール以上にご自身の本音や正直な思いが書けることと思います。スローライフの良さを実感する秋の夜長をお過ごしください。

参考サイト: 文化庁ホームページ
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/index.html


【3 Key-Words from News Letter of this month】
1. 世論調査: public opinion research
2. 物思いに更ける: be sunk in thought
3. 脳裏に浮かぶ: come up to mind


京都ESS スタッフ
小寺裕子

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2012年10月07日 09:13に投稿されたエントリーのページです。

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